香田証生とは
香田証生さんはなぜ殺されたのか
2004年10月にイラクで武装集団に捕らえられて殺害された青年の足取りを,旅行者の視点から追う.
まったく無防備で,軽はずみに見えた香田さんの行動は物議をかもした―というよりも,家族をはじめとする関係者は激しいバッシングを浴びた.
本書は意外にも,ニュージーランドのクライストチャーチから始まる.そして,イスラエル,ヨルダンと移動し,同じ旅人としての気持ちを重ね合わせながら,香田さんがイラクに入った理由を考える.著者とはまったく面識のない香田さんの心の動きや行動について記した内容は,一定の事実に基づいた物語と言えるかもしれない.
人騒がせ,無責任―このような言葉が香田さんの行動に投げかけられても良いだろう.しかし,青年の持つ人よりも強い好奇心や,少しでも強い刺激を求める旅行者の気持ちに対する共感の声がもっと聞かれても良かったと思う.
旅好きな人にはうなづいてもらえる内容だと思うし,この事故に対して非難の声ばかりが大きすぎると感じていた人にとっても納得してもらえるものだと思う.ただ,この事件の社会的・政治的背景などを知りたい人にとっては,期待に沿える部分は少ないだろう.
香田証生さんはなぜ殺されたのか
著者:下川裕治出版社:新潮社サイズ:単行本ページ数:220p発行年月:2005年10月この著者の新着メールを登録する2006年1月号掲載イラクで日本人青年がイスラム過激派に拉致・殺害された事件は衝撃だった。「無謀...
