面白い歌とは
ロッシーニ:オリー伯爵
ロッシーニが本格的にフランス語の台本に基づいて作曲したオペラ・コミックです。 話の内容は、他の貴族が出征している中で一人残った好色なオリー伯爵と、彼の餌食になりたくない女伯爵との丁々発止のやり取りを軸にした大変滑稽なものです。 このコミカルな台本にロッシーニは前作の「ランスへの旅」から多く転用して、人間心理に迫りかつ彼一流の洒脱な音楽を繰り広げています。 そしてこのCDでは、タイトルロールを演ずるフローレスや指揮者のロペス・コボスほかのキャストが縦横無尽の活躍をしているのが耳に快楽を与えてくれるものとなっているのです。 とにかく、音楽を理屈ぬきに楽しみたい人にはこのCDはお勧めではないでしょうか。
春歌で踊るかくし芸 [第1集]
フジヤマ社中 株式会社エムティアール
ベルク:ルル 3幕版全曲
ルル役をうたっているストラータスは、声質としては低めのメゾソプラノに近く、
高域をうたう箇所では多少無理をしているようだ。
ベルクが「うたえないときはこっちを選択してネ!」と楽譜にわざわざ別指定した、
<簡単バージョン>の方を採用している箇所がちらほらあったりする。
(特に、聴かせどころのはずの第2幕幕切れのあたりは、気になるかも)
近年の『ルル』演奏では、めったにないことなので、逆の意味で珍しい音源だ。
他盤と聴き比べてみると面白い。
ストラータスの魅力は、「うた」と「地の声」との声質のギャップにある。
『ルル』は登場人物の感情の高ぶりや、ドラマの進展によって、
「語り」からラップのような「うたうような語り」、「語るようなうた」、
「うた」の間をモーフィングするように、意図的に作曲されている。
(これはオペラ『ルル』ならではの特徴であり、すごく画期的なことだったりする)
で、ストラータスの地声は、まるで別人であるかのように、低く、
ドスの効いた声なのだ。これはとても怖い(笑)
あの声で「このソファの上であんたの父さんが血を流したのよ」と語るときの凄みは、他の盤にはないものだ。
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