銀行が喰いつくされた日 (講談社プラスアルファ文庫)
その当時はどの邦銀も必死だった為に興長銀の内部変化までは私の視界になかったが、あれから10年経ち「大蔵省の優等生」の日長銀と、「大蔵管理銀行」の日債銀は、誰に喰いつくされたかよりも行内で誰が何をしでかしたのか知りたくなり本書を読んだ。背景・要因・分析が欲しいという意見もあるが、本書は完全なdocumentaryやchronicleとして読めばいいものと思う。イ・アイ・イ インターナショナルの海外案件、伊豆センチュリーパーク、アベインターナショナル、日本ランディック、日本リース、日長銀の役職員、多くの関係先と実名がどんどん出てくる。野放図な融資、甘すぎる自己査定、住友信託銀やスイス銀への哀願、こんなになってしまうのかという驚きの連続である。一方で生い立ちから政治家との密接な関係の日本不動産銀行。九段下交差点角にあったユニークな旧本店ビルと共に変な銀行というのが私の昔からの印象だった。クラウンリーシング、日本信用ファイナンス他を軸に蝕まれていった。私の感覚では、昔から明らかな異色人種はBOT、IBJ、LTCBの三羽烏であった。いずれもそのプライドの高さ、殿様・華族のBOT、役割終焉後も王様のIBJ、意識過剰の見栄っ張り次男坊のLTCB、そういう方々をParis,London,NY,LAで多く見てきた。私がLA駐在時に、東京から出張のLTCBマンが寿司「襷」のカウンターにいた。フィルムファイナンスだと意気込んでいた。今どうしているだろうか。