進化論 嘘とは

うそつきの進化論―無意識にだまそうとする心 最近、韓国におけるES細胞に関する論文捏造が話題になった。日本でも臓器移植に関する規定違反の例が続々と報道されている。これらは明らかに意図的なウソである。本書によると、あのニュートンでさえ自分の理論を正当化するためにデータを改竄したそうである。時代変れどという典型である。また、人間は無意識のうちに10のうち3はウソを吐いている(あるいは単なる誤り)と言う。 しかし、本書はこうしたウソを性悪説的に糾弾するのではなく、逆に社会的機能を持つものとして評価しようとする。この辺が見方の分かれる所で、この見解に否定的な意見も当然あるだろう。著者はウソの社会的機能の証明として、あのマキャベリにちなんで(塩野七生女史みたいだ、ちなみに塩野女史ならマキアヴェッリと綴るところだ)「マキャベリ的知性」という仮説を採り上げる。この仮説の言うところは、社会の中で如何に相手を出し抜くか、あるいは逆に相手のそうした意図を如何に見抜くかという能力が"知"だという考えである。如何にもマキャベリ的だ。しかし、本書を読む限りウソの現実的効用(日本にも「ウソも方便」という諺がある)は分かっても、社会的機能の証明にはほど遠いように思えた。 本書の邦題で"進化論"という言葉を用いているが、最近のベストセラー「ウェブ進化論」等と混同されやすく安易なネーミングだと感じた。また、ウソの心理はまだまだ未解明の部分が多く、今後も課題が山積している事を痛感させられた。
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