石井竜也 写真事件とは
心霊写真 不思議をめぐる事件史 (宝島社文庫)
確かにたくさん調べて資料的にも多少価値はあると思います。
しかし、作者の歪んだ先入観というか、最初から心霊写真はいんちきだという観点はあまりにも幼稚ではないでしょうか?
わからない事象については、素直にわからないという立場をとったほうが客観的だと思います。
せっかくこれだけ調べたのですから、検証のために事実のみを書けばよかったと思います。行間に現れる著者の心霊写真を馬鹿にした表現は不愉快なだけで、何一つ真実の究明には向かいません。
笑えたのは、著者の心霊写真否定のメインの理論は、安いカメラを使ったからゴミが写っているのだというところです。
その前後の写真に写っていないのはどう説明するんでしょうかね。
みんなのマルチメディア年鑑 毎日新聞報道写真 1999
日外アソシエーツ
みんなのマルチメディア年鑑 毎日新聞 報道写真 2001
日外アソシエーツ
南京事件「証拠写真」を検証する
いかにも東中野修道氏らの編集らしく、いささか強引な極めつけが多々だけれども、本書は、それなりに面白くまとまっていると思いますね。掻い摘んだ話、写真は何の証拠にもならないということですよね。
「『写真集・南京大虐殺』を刊行するキリスト者の会」なんか、よく言えば純真なんでしょうけれど、プロ写真家の眼から見ると、気の毒なくらい簡単に騙されていますしねえ。とくに報道分野のは、限られた枚数の絵でもって紙面化する必要から、撮影者によって演出された写真が多く、いわゆる意味の「証拠」には、まったくなりません。
ただ、同じことは反対側の日本軍にもいえるのであって、日本の報道陣あたりが撮った「平穏な市民生活」、「日本軍と中国人との温かい交流風景」と称する写真などを、麗々しく著書に引用する阿羅健一(畠中秀夫)氏のような真似も、併せて批評の対象に加えるようにお願いしたいものですね。当時の日本側の写真に、まず死体が写ってないのは、戦前は警察による検閲で死体写真はすべて紙面化不許可とされたのと、検閲で不許可(ときには発禁処分=経済的に大きな損失)とされるのが解っていたので報道陣が撮るのを意識的に避けたのと、両方の理由によります(関心のある方は毎日新聞社刊『不許可写真1.2.』をご参照ください)。
おのれの主張に都合の良い写真は持上げる、不快な写真は無視するか腐すでは、ダブルスタンダードの謗りは免れません。
日本側のプロパガンダ写真については、主に太平洋戦争期のが中心になりますが、多川精一氏の『戦争のグラフィズム・回想のFRONT』などが、本書の読者にはお薦めではないでしょうか。見比べてみて下さい。日本側、中国側、それぞれの企図したところがよく解ると思いますよ。
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