清川あさみ 人魚姫とは

アンドゥ 出版社リトルモアからの『ブローチ』に続く、待ちわびた絵本です。おとぎ話のような遠い世界のイメージを与えながらも、飲み終えると、現実的な生きていく上での衣食住を考えさせ、またそれを支える毎日の繰り返し「きのう ・ 今日」のあらゆる感情が程よい強さで受け取れます。本を上に開き、右、左と順にページをめくり、手に触れる紙の感触も異なりその変化は、時が経過する様子を身体からしみこむ感じで憶えさせます。この1冊で少女が成長する様がほんの少し悲しくも逞しくもあり、静かで穏やかな強さがそっと読者に振り落ちてきます。
人魚姫 小さな頃に読んだ時には、ただただ人魚姫が可哀想で、王子と隣国(?)の姫が憎らしくてたまりませんでした。ですが、大人になって読み返してみると…。人を好きになるというのは、命の恩人だから、というような理屈ではなくて。人魚姫は、幸せな恋人達に横恋慕しているようなものなんですよね…。と、そういう見方が出来るようになってしまいました。そしてそれを思う時に、子供の頃よりももっと人魚姫の悲しみや、王子を殺す事が出来なかった気持が深く深く迫ってきました。それを可能にしたのはこの本のため息が出るほどの美しさと、素晴らしい訳文があったからこそです…!幾重にも重なる繊細な青、蒼、碧。波の雫のスパンコール。美しい人魚の刺繍。どのページを開いても、吸い込まれそうになります。『人魚姫』の決定版と言えるのではないでしょうか。熱く語ってしまいましたが、値段もお手頃で、宝物の1冊になること請け合いです!!
人魚姫 著者:ハンス・クリスチャン・アンデルセン/清川あさみ出版社:リトル・モアサイズ:単行本ページ数:96p発行年月:2007年07月この著者の新着メールを登録する【内容情報】(「BOOK」データベースより)幾重にも...
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