恩田陸 黄昏の百合の骨とは
黄昏の百合の骨 (Mephisto Club)
「麦の海に沈む果実」の幻惑的な世界観に魅せられて、その続編として期待した本書でしたが、その香りは微塵もありませんでした。
麦の海〜が青の丘を舞台とする幻想的なミステリーとするなら、本書は現実的で、また麦の海〜に出てきたような魅力ある人物達もあまり登場しません。
もし麦の海〜の世界観を求めてこの作品を読もうと思われるなら、読まない方がいいです。
また、麦の海〜を読んでない方は、人物関係が非常に分かりずらいと思うので、そちらを読んでからをお勧め致します。
麦の海〜を読まれた方は、そちらの世界観とは切り離して読める方には静かに進んでいくミステリーとしていいのかもしれません。
黄昏の百合の骨 (講談社文庫)
「三月は深き紅の淵を」から始まった水野理瀬(を中心とした)シリーズの一作。時系列としては「麦の海に沈む果実」の続編にあたる作品です。
前作で自分の目標に目覚めた理瀬が、その後のイギリス留学から戻って長崎の古い洋館で暮らしながら、その家に隠された秘密について探っていくのが主なストーリー。洋館の謎に、魔女のような叔母2人に、美しい青年のいとこ2人、ひとくせある理瀬の友人たち(と既に亡くなっている祖母)が主な登場人物で、もちろん殺人事件つき。
前作の結末で出自が(半分くらい)明らかになり覚醒した理瀬は、高校生ながら闇の部分をいかんなく発揮する一方、年相応の感傷も時には顔をのぞかせます。お互いの心の裏を読みつつ、祖母が残した館の謎を解き、殺人事件の真相も明らかにしていく過程は、ドロドロしていて期待を裏切りません。
初読者向けではないですが、「麦の海〜」だけでも読んでいれば十二分に楽しく、物語の世界にどっぷりと浸かって幸せな時間を過ごせます。
黄昏の百合の骨
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黄昏の百合の骨
講談社文庫 著者:恩田陸出版社:講談社サイズ:文庫ページ数:405p発行年月:2007年04月この著者の新着メールを登録する【内容情報】(「BOOK」データベースより)強烈な百合の匂いに包まれた洋館で祖母が転落死...
