ボーナス・トラック
起こった事故は悲惨だし、幽霊にまとわりつかれるというのも怖い。しかし、明るくさらりと好感が持てる描き方だ。死んでしまった亮太にも悲壮感がまったくない。ただ、ひょうきんな彼がときおり見せるホンネの心が切なくて、ぐっとくる。誰だって死にたくはない。まして突然の事故でなんて・・・。悲しむ両親の姿を、幽霊の亮太が見るシーンは胸に迫るものがあった。ラストにも、ホロリとさせるものがある。死んでしまっても決して終わりではない。そう信じたい気持ちになった。
宝島社文庫「ビッグボーナス」 (宝島社文庫)
パチスロの攻略法を売る「トリプルセブン」の実質的な社長を勤める東。パチスロ依存症確実の客相手に、ガセネタの攻略法を巧みな話術で買わせるのが仕事である。しかし、東は「ダッシュ電子」というパチスロメーカーの元社員あり、「ダッシュ電子」に勤める相棒の加藤から仕掛けを仕込んだ機種を教えてもらい、ときには本物の攻略法を売っていた。その仕掛けにより異常に出る台となった「ダッシュ電子」の機種は、売上を伸ばしこととなった。また、「トリプルセブン」も本物の攻略法を扱う会社ということで顧客からの信頼を得て、好調な業績を維持していた。そして、この方法をあみ出したのが東と加藤の上司の黒岩であり、彼は本社に栄転となった。
ある日、「ダッシュ電子」機種の本物の攻略法がライバル会社の「東栄企画」で売られていた。「トリプルセブン」より先に本物の攻略法が世に出回ることは考えられない。さらに、社長である本倉の長期無断欠勤、ガセネタを2つも即決する客など、何となく感に触る出来事が多すぎる。嫌な前兆だ。
「ダッシュ電子」に裏切り者が? 本倉はトラブルに巻き込まれたのか? 何かにおう怪しい客の正体は? 東率いる「トリプルセブン」はどうなるのか!?